長崎市では久しぶりの雨が降った3月の寒い日、翌朝がハーフちゃんの手術予約日でした。その夜、捕まるかわからないけど捕獲器を雨に濡れない場所に仕掛けました。


ハーフちゃんを時間までに捕まえられるか?
捕獲器に託す!
通常、不妊手術をする際はその前日夜から絶食させなければなりません。ですが、私が予約を入れたスペイクリニックの方に、少量だったら大丈夫ですと言われたのでカリカリ少量、ウエットフードを用意しました。
物音がするたびに確認に走る!
その夜の長崎は風を伴う雨が断続的に降っていて、夜出かけている人もほとんどいない様子でした。捕獲器に「頼んだよ!」と願いを込めて一旦床に就くことにします。たまに外からガタン!という音がすると急いで確認に行くのですが、気のせいだったということが数回。。。



もう放っとこう!明日早朝確認すればいい!
私が気合を入れたところで捕獲の可能性が上がるわけでもないので、気持ちをリセットして寝ることにしました。



果報は寝て待て。
捕獲器の結果!
早朝目が覚め、大慌てで確認に向かいました。
捕獲器には1匹猫がかかっていました!



でもハーフちゃんではなかったー⤵
ここでせっかく入っているこの猫を解放すべきか迷いました。ハーフちゃんのための計画ではあったのですが、結果は違う猫だった。でも、せっかく1匹手術の予約を入れているので、オスかメスかはわからないけど、この猫を手術すれば私の家の周りで、1匹とはいえ繁殖を抑えることはできます。
長く悩むことは捕まった猫ちゃんのストレスにもなります。



解放するかどうか、早く結論を出さないと!
新しく捕獲器を仕掛け直したとして、狙いのハーフちゃんが入ってくれるか?もうしばらくで約束の時間です。結論を出さないとクリニックにもご迷惑が掛かります。
結果、キャンセルの連絡を入れた。
朝になれば家の前は人通りが多くなり騒がしくなるので難しいかもしれない。そう思った私は、まず捕えた猫ちゃんを解放し、スペイクリニックにメールでキャンセルの連絡を入れました。そして新たに予約できる日を教えて欲しいとお願いを添えました。
とりあえず腹ペコの11匹に朝のお楽しみをあげよう!
その後、スペイクリニックの方から仕方ないですねとキャンセルの承諾をもらい、その後はまた追って連絡しますと返事をもらいました。




いろいろ考えてもしょうがないので、いつも通りあさイチで汚れまくっているペットシーツと猫砂の交換をして11匹にエサを与えることにました。そんなニュートラルな気持ちでいたら、なんと神様からビッグチャンスのプレゼントがあったのです!!



マジか!?窓際にハーフちゃんが来てる!!
窓際から家に入ってきたハーフちゃん!
成功するか?ハーフちゃん捕獲作戦!
11匹にエサを与え、横目でハーフちゃんを確認した私はハーフちゃんが入れるくらいの隙間を窓を開けて作りました。「ここから入ってきてとっつかまえたら、さっきキャンセルした予約をもう1回ねじ込んでお願いできるかも!!」と内に秘めた闘志をメラメラさせて。
実はこれまでハーフちゃんが窓際にきたら、窓を少し開けて中に入ってこないかと試したことが数回ありました。でも、用心深い性格のようでいつもなら窓にスリスリするのに、そういう時には距離を取って部屋の中には入ってこようとはしません。
想いは叶う!
しかし、この日は用心して恐る恐る部屋の様子を伺いながら、ハーフちゃんが部屋の中に入ってきたのです!まずはゆっくりと手を差し入れてそのあとは身体、そして窓枠に乗って完全に家の中に入りました!多分、外に全くエサがなかったため、おなかがすいて11匹の猫が食べているフードのニオイにつられたのかもしれません。
私はとにかくメラメラしている自分の気を出さないよう、逆に全然気にしてませんよーというテイでとりあえず完全にハーフちゃんの身体が家に入りきるのを横目で見届け、



その後、凄い勢いで窓をピシーー!!と閉めました!!!
びっくりして動揺するハーフちゃん!エサの最中に唖然とするわが家の猫11匹!!小躍りして喜ぶ私!!そんな光景がそこにありました。



カオス!!
なんとか確保するぞ!
ボス猫活躍する。
私は大急ぎでハーフちゃんが逃げないよう部屋のドアを閉めました。まだクリニックに再予約の連絡をしていないので、もしかすると予約が取れる日まで家で過ごしてもらわなければいけないかもしれません。
ハーフちゃんは部屋の高いところをつたったり、窓をたたいて逃げ出そうとします。あちらこちらに右往左往し、暴れる中、視線をハーフちゃんに合わせて近寄る猫がいました。



ボス猫、ミニョン!!
他のネコが遠巻きに見ている中、ミニョンが静かに近づいてパンチ!パンチ!パンチ!!なんだか助けてもらったみたいで、見とれてしまいました。新入りはまずミニョンがシメる!



やっぱりミニョンってボスだよねー。
パンチのショックで、ちょうど窓の縁でハーフちゃんの動きが止まったところを、皮手袋をした私が抱えて3段のゲージの中に入れることができました!



GJ(グッジョブ)!ミニョン!!
こんな形で成功できるとは!とにかく初めての体験です。捕獲器作戦が失敗したので一度はあきらめたのに、突然のチャンスを猫ちゃんズとともにキッチリつかみ、TNR成功の道が見えてきました。


再予約もできました!
クリニックにキャンセルの電話を入れてからそんなに時間が経っていませんが、事情を説明してなんとか今日のうちに手術をしてもらえることになりました。



ただし、頼んでいた送迎時間を過ぎてしまっていたので送迎の時間外ということで2,000円プラスとなりました。
改めて設定した送迎の時間に合わせて、不安な声で鳴いているハーフちゃんを捕まえキャリーケースに押し込み、準備はほぼ完了です!


あとは迎えに来てくれるクリニックの方にちゃんとお渡しするだけです。


手術についてのカウンセリング
到着して、猫ちゃんを渡す前に今回の手術についてのカウンセリングがあり、先方が用意した紙に手術内容の確認と希望をチェックしていきます。
ハーフちゃんは術後預かり(メスは必須)、翌日の家までの送迎、もし病気や妊娠が判明した時は相談の上処置をお願いすることにチェックをいれました。


依頼書の中に、耳カットありだけれども、手術後は自分で飼いますという項目があります。今は野良猫ちゃんだけれど、家猫にする予定の子も施術してくれるようなので手術代の負担を抑えることができますね。
無事に預けられたハーフちゃんは翌朝9時30分ごろ、家まで届けてくれるということになりました。(有料です)


本当にR(リリース)するべきか悩む。
小さい嵐のような出来事がいったん終わり、私の中でふつふつと迷う気持ちが湧いてきました。
わが家の団らんを毎日のように覗きに来ていたハーフちゃんを、手術後お外の世界に戻すのは本当に幸せなのか?もちろん、これまで何例か不妊手術後、元の世界に戻した子はいます。
でも、なんだかうらやましそうに家の中を見ていた姿が本当にいじらしくて、愛おしく思えるようになっていました。どうしよう、明日帰ってくるまでに気持ちを決めないと。



今ですら猫が11匹もいるのに。でもハーフちゃんを想うと胸が痛みます。
次回は戻ってきたハーフちゃんをどうするのか、私が出した結論についてお伝えしますね。


コメント